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姫路市役所 様導入事例 / SecurePrint!

姫路市役所


全国初、マイナンバーカードの電子証明書を使った
職員認証の仕組みで全庁の職員認証基盤を構築

マイナンバーカードの普及こそが
住民サービスの向上と行政の効率化に繋がります

人口53万人を擁し兵庫県第二の都市である姫路市は、デジタル社会における住民のQOL向上を目指し、2016年1月にマイナンバーカードの交付と同時に証明書コンビニ交付サービスを開始しました。
また、利用者の多い図書館カードに着目し、マイナンバーカードで図書を貸出するサービスを提供。さらに、マイナポイント事業の自治体版に相当する「ひめじポイント制度」を開始するなど、マイナンバーカードを使った住民サービスの拡充に力を入れてきました。

導入の背景と狙い

マイナンバーカード普及の目的

姫路市役所 本庁舎 姫路市役所 本庁舎

姫路市役所(以下姫路市)がマイナンバーカードを使ったサービスの拡充に努めるのは、日常生活の中で便利なサービスがあれば、カードの普及に繋がり、行政の効率化にも繋がると考えるからだ。
例えば、オンライン申請を増やすには、マイナンバーカードの普及が重要だ。オンライン申請が増えれば、フロントオフィス型からバックオフィス型の行政にシフトすることが可能で、将来に向けた職員数減少の課題への対応にもつながる。「自治体DXを進めるには、インフラとなるマイナンバーカードの普及をしっかりやっていく必要があります。」と政策局 デジタル情報室 主幹 原氏は語る。
姫路市は住民向けサービスの拡充だけでなく、職員証としての利活用にも積極的だ。職員証利用の実証実験で、まず白羽の矢が立ったのが認証印刷システムだ。

認証印刷もマイナンバーカードで

中核市移行記念 姫路市は(平成8年4月)、全国で初めて中核市に移行。県の事務権限が市に大幅に移譲されました。

姫路市は自席にとらわれずに働ける環境を構築するなど、オフィス改革・働き方改革にも取り組んでいる。これらをさらに推進していくには、プリンター集約やロケーションフリー印刷なども欠かせないため、当初から認証印刷システムが必要という認識を持っていた。
ただし、姫路市では職員認証カードを使用していないため、認証印刷システムを導入するにはICカードを準備する必要があった。
「管理面やコストを考慮すると、新たにICカードを購入することは避けたいと思っていました。マイナンバーカードを使ったサービス拡充に努めてきたこと、国がマイナンバーカードの職員証利用を推奨していたこともあり、認証印刷システムの調達をきっかけに、マイナンバーカードによる職員認証を実現したいと考えていました。」(原氏)

導入の決め手と効果

電子証明書方式への対応

姫路市はマイナンバーカード対応の認証印刷システムの調達にあたり、一般的なカードアプリケーション方式(以下カードAP方式)ではなく、図書館システムで採用した電子証明書方式を用いることを希望していた。
それは全国初の取り組みであり、ICカードリーダーの改修から証明書失効管理の仕組みの開発などが必要であった。また制度的にも初めてなので、総務省やJ-LISに何度も相談し、協議を重ねた。
調達において、最終的にシーイーシーのSmartSESAME SecurePrint!を採用した理由は、すでに総務省などにマイナンバーカード対応のSecurePrint!を導入していたことに加え、電子証明書方式の対応に必要となるハードウェア改修や失効管理モジュールの開発に、前向きに取り組む姿勢を見せてくれたからだ。

カードAP方式と電子証明書方式

姫路市がマイナンバーカードの職員証利用で一般的なカードAP方式を採用せず、電子証明書方式を選択したのは、以下の3つの理由があるためだ。

<費用>

カードAP方式では、マイナンバーカードのICチップの空き領域に認証用の情報を書き込む必要がある。情報を書き込むには、J-LISのカードAP搭載システムが必要となり、システム利用には初期費用とランニング費用が掛かる。

<管理工数>

カードAP方式の場合、情報の書き込みに時間がかかる。また情報を書き込むのはどの部署が対応すべきかも悩ましい問題だ。人事部門がやるのか、情報部門がやるのか、カードを預からないといけないのかなどの不安が払拭できず、結局職員証利用の検討が進まない。

<条例制定>

自治体の場合、マイナンバーカードの空き領域を使うには条例の制定が必要になる。職員証以外でカードAPの利用予定がない場合には、条例対応に課題がある。

電子証明書方式のメリット

姫路市政策局 デジタル情報室 主幹 原秀樹氏 姫路市 政策局 デジタル情報室
主幹 原 秀樹 氏

一方で姫路市が採用した電子証明書方式は、マイナンバーカードのICチップに初めから搭載されている電子証明書を使うため、新たに情報を書き込む必要がない。当然、先に述べた費用、管理工数、条例制定も不要になる。また少人数からでも、すぐに職員証利用が始められるのも特徴だ。
電子証明書を利用するには暗証番号(4桁のPIN)を入れる必要があるが、印刷の都度、マイナンバーカードをICカードリーダーにかざして、PINを入力する運用は現実的ではない。
そこで姫路市が考え出したのは、最初に職員証としてカードを登録する時にはPINを入力してOCSPで失効確認を行い、以降はCRLにより日次で失効確認を行うという二段構えの失効管理の仕組みだ。この仕組みをシーイーシーとともに開発しSecurePrint!に適用したことで、印刷の都度、PINを入力する手間がなくなった。

全庁の職員認証基盤を構築へ

姫路市ではSecurePrint!で開発した職員認証の仕組みを認証印刷システムに留めず、他のシステムにも連携させて全庁の職員認証基盤にしていく計画だ。
この職員認証基盤は「JPKI職員認証プラットフォーム」という名称で、姫路市とシーイーシーが共同で開発していく。すでに本稼働を始めているSecurePrint!とともに、令和4年度(2022年度)には入退庁管理システムや勤怠管理システムにも連携させ、本稼働させる予定である。


費用対効果の試算を元に、オフィス改革とあわせてSecurePrint!の全庁導入に向けたプランニングを開始したいと考えている。「2019年1月にSecurePrint!の試行導入をはじめたが、マイナンバーカードの職員普及率も2021年12月末時点で91.5%に達し、ようやく全庁導入の下地が整ってきました。」と原氏は語ってくれた。

全庁の職員認証基盤構築
全庁の職員認証基盤構築

今後の活用と展望

シーイーシーに期待すること

「JPKI職員認証プラットフォーム」はさまざまなシステムに連携できるため、機能の充実化を図る余地が多分にある。他の自治体が手軽に導入できるよう、セキュリティソリューションベンダーとしての知見を活かし、安全、安心で、利便性の高いプラットフォームを提供してもらいたい。「証明書コンビニ交付サービスのように、シーイーシーは全国5万店舗のコンビニエンスストアに配置されたキオスク端末を使った独自ソリューションも持っているので、そのような技術も活用し自治体の業務効率化や住民サービスの向上につながる新しいサービスを創り出してほしい」と原氏は語る。


デジタル社会において、マイナンバーカードの普及こそが住民サービスの向上と行政の効率化に繋がるという揺るぎない信念の下、マイナンバーカード利活用の新しい方法を生み出し続ける姫路市。姫路発の最先端の取り組みが日本全国の自治体を変える日がくるかもしれない。

所在地
〒670-8501 兵庫県姫路市安田4丁目1
職員数
3,984人(2022年4月1日現在)
人 口
525,365人(2022年4月1日現在)
面 積
534.4㎢
URL
https://www.city.himeji.lg.jp/


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