SmartSESAMEのお客様の声をご紹介 - 導入事例
2020年6月、横浜市役所は庁舎を全面移転した。移転にともない、それまで旧庁舎や民間ビルなど約20カ所に分散していた市役所機能を集約。来庁者対応スペースを十分に確保しつつ、壁や間仕切りをなくし開放的で視認性が高いオープンフロア、そしてユニバーサルレイアウトによる執務室の導入により、来庁者の利便性と業務の効率性、職員間・組織間のコミュニケーション活性化を高めた新庁舎を実現した。
新庁舎移転にあたって、大きな役割を担ったのが当時の横浜市総務局 しごと改革室行政・情報マネジメント課(現在の行政改革推進部行政マネジメント課)。
「市役所全体の業務の効率化をマネジメントしていく部門として新設されました。簡単に言うと新庁舎での新たな働き方を考える部門です。新庁舎では無線LANの導入、1人1台のPHS配布などにより、自席にこだわらない働き方を可能にしました。」と語るのは横浜市総務局 行政改革推進部行政マネジメント課 文書管理担当課長 末永 邦仁氏。
末永氏が所属する文書管理担当は、複合機の調達などを含んだ、行政文書管理に係る総合的な指導および調整に関することを所管している。移転の際には、新庁舎に持っていく文書量を適正化する指導の役目も担った。文書管理担当が新庁舎で目指したのは、場所に依存しない印刷環境の構築だ。「無線LANの導入で自席にこだわらない働き方が可能になるわけですから、印刷環境も同じ。どのフロア、会議室にいても、近くの複合機から印刷できる環境を構築する必要があると考えました。」(末永氏)
しかし、旧庁舎ではプリンターや複合機を各局などで契約していたため、さまざまなメーカーや機種が混在。各執務室内での印刷だけなら、こうした旧庁舎時代の調達方式でも大きな問題はないが、全職員がいつでもどこでも印刷できる環境の構築は難しい。そこで「新庁舎では当課が一括調達し、管理していく共用複合機で原則として印刷を行うことを庁内で周知し、各局などには移転に合わせてプリンターや複合機の契約期間を終了していただく調整をしました。」と横浜市総務局 行政改革推進部行政マネジメント課 文書管理担当 藤澤 愛氏は語る。
新庁舎の新たな印刷環境を構築するにあたり、さまざまなベンダーから製品などの情報収集を行い、新庁舎に合う印刷環境の仕様検討を重ねた。その結果、文書管理担当が要件としたのは以下の通りだ。
<メーカーや機種に依存しない印刷基盤>
横浜市では、条例および規則などにより、複写サービスの契約期間が定められているが、定期的に新たな複合機を導入する際に、その都度複合機の認証印刷環境を変更することは手間やコストがかかってしまう。こうした中で、最終的にはメーカーや機種に依存しない印刷基盤の構築がベストだと判断した。
<認証システムでの印刷>
新庁舎内の複合機は、部署に関係なく全職員が利用することを考慮し、セキュリティを担保することが必須となった。印刷物の混在を防ぐためにも、複合機の前でICカードをかざして印刷する認証システムを要件とした。
これらの仕様などを満たし、導入が決まったのは、コニカミノルタとミツイワによるシーイーシーのSmartSESAME SecurePrint!(以下、SecurePrint!)を用いた印刷基盤だった。「新庁舎の印刷環境の仕様を決めていくなかで、各メーカーから多くの協力を得ることができました。大変感謝しています。SecurePrint!は、実機による試行導入を行っており、業務執行に問題がないことは確認していました。また、メーカーや機種に依存しないマルチメーカーの印刷基盤は、新庁舎に合致した印刷環境だと感じました。」と横浜市総務局 行政改革推進部行政マネジメント課 文書管理担当係長 米内 将人氏は語る。
新庁舎での業務開始に合わせ、新たに複合機約280台を導入しSecurePrint!による印刷基盤を構築。現在は無事に稼働している。この印刷環境では、検討時に想定していたさまざまな効果を感じているという。具体的には以下の通りだ。
<どこでも印刷できる>
いつでもどこでも印刷できる環境も浸透してきた。「会議中などで書類を印刷する際、以前は自席に戻って有線LANをつないで印刷していました。しかし、現在は会議中でも近くの複合機で簡単に印刷することができます。また、大量に印刷する場合、印刷待ちの行列ができないように周りに気を使う必要がありましたが、現在はそれも不要。空いている複合機から印刷が可能です。」(藤澤氏)
<書類の放置や混在が解消>
「認証印刷システムにより、印刷を実行しても複合機の前で認証しない限り印刷されないため、書類の放置や混在がなくなりました。印刷実行後に書類のミスに気づいたときは、印刷をキャンセルすることもできます。このワンクッションが入ることで、無駄な印刷を防げるようになりました。」(米内氏)
<利用状況を可視化できる>
SecurePrint!の統合ログ機能にて、印刷ログなどの一元管理が可能になった。「統合ログは複数ベンダーの複合機の利用状況を一元的に可視化できるため、このログをもとに、今後の印刷環境をより良い形にブラッシュアップできるのではないかと考えています。」(米内氏)
文書管理担当では、次にやってくる複合機の入れ替えを見据えている。「今後の入れ替えはメーカーや機種に気を遣う必要はありません。我々がすべきは、ログをエビデンスにした複合機設置場所や台数の最適化です。ログを参照すれば印刷枚数が多い複合機や、利用頻度が低い複合機を特定することができます。まずはしっかりログを蓄積していくことが大事。そして今後は、使用状況に合わせて最適な複合機を選定していく作業を行うことになると思います。引き続き、コニカミノルタおよびミツイワ、シーイーシーには印刷のプロとしての知見をご教示いただけると幸いです。」(末永氏)
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