SmartSESAMEのお客様の声をご紹介 - 導入事例
渋谷区役所は2015年10月から3年ほど仮庁舎で業務を行った後、2019年1月に旧庁舎と同じ場所に建て替えられた新庁舎で業務をスタートさせた。新庁舎はただ建て替えただけでなく、新庁舎のコンセプトを検討するワーキンググループのもと、コミュニケーションの活性化、生産性の向上、庁舎内外を問わないシームレスな勤務などを実現する数々のワークスタイル改革を実施。部門間や職階の壁をなくし、職員同士の交流を創出するためのオープンオフィス、部門単位で自由にデスクを使えるグループアドレス、各フロアのワークラウンジ、時差勤務やテレワークの導入、庶務事務のアウトソースなどにより、新庁舎での働き方は大きく変わった。
このワークスタイル改革をICTで支えたのが経営企画部 ICT戦略課。「ICT戦略課は新庁舎への移転を機にインフラを一新すべく、2015年に新設された部門です。サーバーやネットワークのリプレースのほか、無線LAN環境の構築やモバイルPCの配布、Microsoft Teamsなどを導入することで、新庁舎では時間や場所に縛られない業務環境をつくることができました。」と経営企画部 ICT戦略課長(統括課長)伊橋 雄大氏は語る。
移転にあたり、新庁舎には書類を保管する物理スペースは用意されていないため、ペーパーレス化も大きな取り組みのひとつだった。まず、旧庁舎から仮庁舎に移る際に持ち出せるのは1人ダンボール3~4箱のみに限定することで50%以上の紙を削減した。次に仮庁舎で過ごした3年間で増えた書類を削減するため、持ち出せる書類は1人2箱に限定。ここでも、書類を半減させることができた。「もちろん、残さなければならない書類もあるので、仮庁舎の最後の1年間は文書削減コンサルタントに入ってもらって紙を削減しました。」(伊橋氏)
ペーパーレス化への取り組みは、プリンターや複合機のプリント削減にも目が向けられたが、最も重要視されたのはプリント環境の改善だった。「旧庁舎のころより、書類の置き忘れや混在、抜き去り防止といったセキュリティの問題を解消したいという想いがありました。」(経営企画部 ICT戦略課 ICT政策推進主査 夏賀 圭氏)
また、経営企画部 ICT戦略課 ICT政策推進主査 藤田 なつき氏は「区民に送付する書類をプリントする際は、通知と納付書を組み合わせることもあるため、旧庁舎では所属部門であっても複数の人が同時にプリントしないなど、とにかく慎重に行っていました。同様に、特殊用紙や色紙のプリントの際もかなり気を使っていました。」と語る。
ペーパーレス化は書類の電子化も重要なソリューションだが、旧庁舎ではセキュリティに問題があり、スキャンはほとんど普及していなかったという。
「スキャンした画像は、スキャンを行った本人が自身で消去しない限り、そのまま複合機に残ってしまう状況でした。しかも、スキャン利用の許可を得ている部門でも、複合機でスキャンを実行後、自席に戻ってパソコンから複合機のURLにアクセスし、フォルダーを開いてPDFをダウンロードするという煩雑なフローでした。ペーパーレス化には電子化が必須ですから、新庁舎ではセキュアかつ簡略化したスキャン環境を構築したいと考えていました。」(伊橋氏)
新庁舎で新たなプリント環境を整備するにあたり、インフラを設計・構築するベンダーが推薦したのがシーイーシーのSmartSESAME SecurePrint!Suite(以下、SecurePrint!)と、SmartSESAME MultiScan!(以下、MultiScan!)。「プリントやスキャンにおいて我々の要件をベンダーに伝えたところ、いろいろ調べて一番合致するのはシーイーシーの製品という結論でした。官公庁や自治体で実績のある製品でしたので、異論はありませんでした。」(伊橋氏)
SecurePrint!とMultiScan!導入の打ち合わせは2017年10月にスタート。2018年4月から詳細設計を行い、移転直前の11~12月にかけて構築を行った。新庁舎ほか、出張所や図書館、区立の小中学校など数十カ所の施設にも導入したため、調整に多少の時間はかかったが、予定通り、2019年1月から新庁舎の業務開始とともにSecurePrint!とMultiScan!の活用が始まった。そのSecurePrint!とMultiScan!の導入効果について、夏賀氏と藤田氏は以下のように語った。
<どこからでもプリントできる> ある部門が複合機を専有していても、空いている複合機からプリントできます。以前は自分の部門でプリントするのが当たり前だったため、ほかの場所でプリントできると聞いていてもイメージができなかったのですが、実際に別のフロアでプリントしたところ、すごく便利だと感じました。
<セキュアなプリント環境> 自分が複合機の傍にいき認証したときにしかプリントされないので、慌てて複合機までいく必要がなくなりました。特殊な色紙をセットしているときに別のプリントが出力されてしまう、手差しの途中で別の書類がプリントされてしまうこともありません。プリントの混在も気にする必要がないですね。
<プリントの見える化を実現>
複合機のジョブログを収集、一元管理できるオプションの統合ログ(M's eye)により、プリントの見える化を実現することができました。以前は何枚プリントしたのかまったく見えませんでしたが、現在はモノクロやカラーの枚数、どの部門がどれだけプリントしたのかまで分かります。
<簡略化されたスキャンのフロー> 複合機の操作だけで自分のフォルダーや特定のフォルダーにスキャンデータを転送できるので、非常に便利で手軽になりました。もちろん、スキャンデータは自動的に消去されるため、セキュリティも担保されています。書類を保管しておく場所がないので、積極的に活用しています。
渋谷区役所が今後注力していくのは分析の部分。「ログデータをもとに、BIツールを使って分かりやすく表現する方法について工数をかけて行っていますが、いまだに試行錯誤している状況です。この辺りは、シーイーシーに協力していただけるとありがたいですね。いずれにしても、これからもSecurePrint!とMultiScan!は活用していきますから、引き続きサポートをお願いします。」(伊橋氏)
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