SmartSESAMEのお客様の声をご紹介 - 導入事例
総務省では、「総務省情報ネットワーク最適化計画」に基づいたネットワーク化に取り組み、 新しい環境や課題へ対応できる基盤づくりを推進し、安全性と信頼性の確保、経費削減や省エネルギーの実現を目指しています。情報通信技術(ICT)を活用したワークスタイルの変革が進む一方で、悪質なサイバー攻撃も増えています。電子政府サービスを進める行政機関からの情報漏えいのほか、重要インフラを狙った情報システムへの攻撃、企業からの個人情報漏えいなど多くのリスクを抱えるなか、
官民問わず情報セキュリティ確保への取り組み強化が必須となっています。
内閣官房内閣サイバーセキュリティセンター(NISC)が定めた「政府機関の情報セキュリティ対策のための統一基準群」に基づき、総務省は情報システム機器に求められる高いセキュリティ要件として、出力機器についても同様に重要な課題として位置づけ、その機密性を強化するためにICカードによる本人認証の仕組みを導入。複数メーカーの複合機やプリンターが混在した環境でも、一元的に管理、操作できる出力環境の共通基盤として、シーイーシーの「SmartSESAME SecurePrint!」が選ばれ、
総務省では、2011年に改定した「総務省情報ネットワーク(共通システム)最適化計画」に則って、総務省内ネットワークとなる「総務省情報ネットワーク(総務省LAN)」を構築してきました。総務省LANは、全国約80拠点、約7,500名のユーザーにインターネット、電子メール、電子掲示板およびファイル共有などの各種ネットワーク機能を提供し、各種業務システムの基盤ネットワークとしての役割を果たしています。
その取り組みの背景を踏まえ、SecurePrint!採用に至った経緯について、総務省 大臣官房企画課 情報システム室 兼平 剛志課長補佐と同室 情報システム第三係の吉田 健一郎係長、同係の夏越 隆就総務技官は、次のように話しました。
「総務省では、業務の効率化、セキュリティ対策、BCP、システムの効率化を柱に、業務の質的向上や効率化を推進しています。今回、出力機器の最適化においても、4つの柱に基づき、職員の利便性向上やセキュリティ対策、TCO削減につながる新しい調達の仕組みづくりや統一出力基盤を実現したいと考えていました」(兼平氏)
統一出力基盤の構築にあたり、情報システム室では全拠点にある約1,500台の出力機器の利用実態を調査をすることになりました。各拠点の複合機・プリンターの選定担当者へのアンケート調査から実態を分析し、改善点の洗い出しや出力関連業務の現状を把握、問題点を見える化していきました。その結果、出力量の集中など使用頻度の差異、ニーズに見合わない機器の性能など出力機器を取り巻く課題が明らかとなりました。
情報システム室では出力機器に関する調達、契約方式の抜本的な見直しとルールづくりに着目しました。これまで各拠点ごとに行っていた複合機の調達方法や運用管理を見直し、一元管理が可能かどうか、調達を併せることによって得られる効果をゼロベースから検証していきました。加えて、時期にバラつきがある機器の追加導入・調達時においても、高いセキュリティの担保と職員の利便性向上、TCO削減を実現できる方法を検討しました。
その結果、機種やメーカーに依存しない、出力環境の共通基盤にたどり着きました。また、総務省LANとしてのセキュリティを担保するため、主体認証を活用した出力管理、ログ収集機能による証跡管理も、従来の出力環境を拡張する上で欠かせませんでした。
「NISCが定めた政府機関の情報セキュリティ対策のための統一基準群を踏まえ、多機能化した複合機はPC同様に情報システムの構成要素と捉え、強固なセキュリティ対策が欠かせません。様々な脅威を想定し、複合機本体で印刷データを保持せずに、個人認証に成功した者のみが出力できる環境をマルチメーカーで実現したいと考えました」(吉田氏)
セキュリティ強化の一方で、職員への利便性確保も最大限に配慮したと夏越氏。全職員が場所や環境に縛られず、“いつでも・どこでも”働くことができるワークスタイル環境を推進したかったといいます。
「省内のどこからでも、統一された操作方法で印刷ができ、どの複合機からでもICカードをかざしてスキャンできることなどを必須要件に盛り込みました」(夏越氏)
これらを実現できたのがSecurePrint!だったのです。
正式稼働後、約半年が経過した現在の状況について吉田氏は以下のように評価しました。「競争性が確保されたことで、TCO削減にとどまらず、機器や仕様の統一化によって利用者の利便性や運用管理にかかる事務の省力化、さらにシステム間の柔軟な連携とセキュリティを高いレベルで実現できるようになりました。マルチメーカー対応によって競争原理が働くことで、今後、複合機の追加調達時にも期待がもてます」
認証から出力されるまでのレスポンスやスピードが向上した背景にも触れ、シーイーシーをはじめ複合機メーカーがネットワーク構成や認証速度、高速出力に向けた改善を重ねてきたことで、総務省が求めるレベルを実現できたことを評価しています。
現在では、国家公務員ICカード身分証をかざせば、省内のどの複合機やプリンターからでも指定したドキュメントを印刷できる環境を実現。職員の利便性向上とともに、高速化された複合機や“どこでもプリント”の効果もあり、以前に比べて出力機器の台数は減ったものの、出力能力の向上につながっています。
成果は利用状況にも表れ、利便性の点では、職員が出力機器の前で順番を待つことがなくなりました。セキュリティ面でも、複合機のトレーなどに印刷された紙が放置されていたりすることがなくなりました。また、PCから出力を実行しても、一定時間以内に認証印刷されない出力ジョブを“キャンセル”できる仕組みによって、印刷コスト低減にもつながっています。
これまで、各部局ごとに都度調達していた複合機やネットワークプリンターの調達窓口を情報システム室に集中した効果も出ています。調達時におけるスケールメリットを活かすことで、保守費用の削減も含め、総務省全体の出力機器の台数を約3割削減することに成功しました。
総務省内すべての会議室が無線LAN化された現在、どこでも打合せが可能な柔軟なワークスタイル環境にも貢献しています。
「省内どこの執務スペースで打ち合わせしていても、近くの複合機から印刷、スキャナーが使える環境はとても便利です」(夏越氏)
「今後は、ログ管理によって情報漏えいを防ぐ取り組みを強化していく計画です。また、TCO削減のために継続的な印刷コストの削減や出力機器削減につながる”ムダの見える化”も実践していきます。ログ管理を本格的に活用して、出力機器の最適化や無駄な印刷の抑止をさらに推進していきたいと思います」(吉田氏)
SecurePrint!を活用し、本省および各拠点から収集した出力データのさらなる活用に期待が膨らんでいます。
「今回の総務省LANで採用した統一出力基盤が、出力機器のセキュリティ強化と情報漏えい対策、そしてワークスタイル変革のモデルケースとして、広がっていければと思います」(兼平氏)
省内のどこからでもスキャンして、認証した本人へ自動的にデータ転送できる仕組みになったことで、膨大な紙の資料も、PCへデータ転送して利活用するシーンが増え、ペーパーレス化に貢献しています。今後は、業務の進捗を妨げる“場所”“環境”の制約から解放され、ワークスタイル変革に向けた道のりを積極的に切り拓き続けていきたいと力強く語りました。
お電話でのお問い合わせ(受付時間:平日9:00-17:45)
Webからのお問い合わせ