SmartSESAMEのお客様の声をご紹介 - 導入事例
秋田県の南部に位置する湯沢市は「小野小町」生誕の地として、あきたこまちや秋田新幹線こまちの由来でも知られ、歴史情緒あふれる自然豊かな都市です。2014年3月に新庁舎を開庁し、従来6つの庁舎に分散していた
業務・機能を集約。さらなる住民の利便性やサービス向上を実現しています。
この新庁舎移転にあわせて湯沢市が実現したのが、統合的なセキュリティ対策でした。
入退室・出退勤、PCログイン管理に続く認証システム基盤の仕組みとして、マルチメーカー対応の印刷出力環境を検討。シーイーシーのSmartSESAME SecurePrint!(スマートセサミ セキュアプリント)を導入し、本庁舎や支所・施設内にある複合機・プリンターの印刷出力環境を刷新しました。
半年が経過した現在、庁内のPC端末からプリンタードライバーを選ばず印刷出力できる「利便性」、
“いつ・誰が・何を”印刷したかのログ監視によるセキュリティの「堅牢性」を同時に実現しています。
2005年に旧湯沢市と旧雄勝町・稲川町・皆瀬村が合併し誕生した湯沢市。分散していた行政機能を集約し、市民サービス向上やバリアフリー化、環境・震災対策を図るため新庁舎の建設を計画。2010年から新庁舎の基本設計が始まり、足掛け約4年の歳月を経て、2014年3月に開庁しました。
湯沢市だけに限らず市町村合併によって行政運営のスケールメリットが増す一方で、課題も広がるケースが多い。約半世紀が経過していた本庁舎の老朽化に加え、行政事務の多様化や市町村合併による事務スペースの狭あい化など様々な課題に直面していました。また当時のICT環境についても同様にシステムの老朽化や運用の複雑化によって非効率な点も目についていたと、湯沢市 総務部 企画課 情報統計班 主査の佐々木 訓氏は振り返る。
「合併時にセキュリティ担保と個別最適の観点からVLANによりネットワークを新たに構築。このため、末端に接続されていたPCやプリンター、複合機などがそれぞれVLANや業務システムごとに必要になっていました。印刷環境を例に挙げると、同じフロア内にプリンターが3~4台、しかも隣同士で並んでいる悩ましい状況もありました」。
そこで、新庁舎開庁に照準を合わせ、まずはネットワークインフラの再構築から着手。新庁舎計画段階から“身の丈に合った”スリムな行政運営を基本方針に掲げていた湯沢市。コンパクトな職務スペースを前提にしたICT基盤導入事例の設計と機器調達が必須でしたと、湯沢市 総務部 企画課 情報統計班の参事兼班長の高橋 一志氏は説明する。
「分散化したネットワークを集約し、1台のPCから基幹系・情報系システムを利用できる仕組みを整えたことで、次のフェーズに移行しました。新庁舎に合わせたサーバー・プリンター、クライアントPCなどの集約化を図り、ICT環境の最適化を目指しました」。
また、全国各地の自治体視察や地元専門家の知見によって最新のICT事例を収集する中、多くの“道筋”が見えてきたという。
新庁舎移転の部署横断プロジェクトで議論を重ねるなか、他部門から職員証のICカード化の話題が上がる。『セキュリティ強化』や『業務効率化』をテーマに高橋氏は、入退出や出退勤管理、さらにはPCログインなどの認証管理に関する情報を収集した結果、一つの可能性を見出したという。
「庁舎建設担当や人事担当と議論を重ねていくうちに、当初サーバールームなど重要度の高い情報資産を守る場所の入退出セキュリテイから、全職員を対象にしたICカードへと構想が膨らんできました。入退出、出退勤のタイムカードといった物理的なセキュリティに加えて、パソコンやアプリケーションのログインをすべて管理できるのではないかと考えました」(高橋氏)
「セキュリティの観点から物理的にもシステム的にも『鍵』をかける技術は情報収集して、利活用に向かっていきましたが、一方で庁内の印刷出力環境の対策が進んでいませんでした」(佐々木氏)
情報漏えいの約7割が「紙媒体」から起きている(NPO日本ネットワークセキュリティ協会)という調査結果を踏まえ、「職員証のICカードを利用し、以前から注目していた認証印刷の検討に入りました」(佐々木氏)
「PCログインなど情報セキュリティ管理を徹底していても、『放置印刷』『持ち去り』などのリスクは、職員に任せきりの運用ではなかなか減ってはいきません」(高橋氏)
一番印象的だったのが、認証印刷の導入にあたってベンダー数社にRFI/RFPへの回答を求めたところ、「見事にそれぞれが各メーカー・機種専用の認証印刷システムで統一してしまう提案になっていました」(佐々木氏)
本庁舎、支所・施設全体で複数メーカーの異なる機種を導入していた湯沢市の実態は、いわば「マルチ環境」。そこでメーカー・機種を問わず、ネットワークに接続しているプリンターや複合機の印刷処理を監視できる製品としてたどり着いたのが、マルチメーカー対応の認証印刷基盤システム「SecurePrint!」でした。
「SecurePrint!を知って、まさに『これだ!』と感じました。このシステムなら、プリンタードライバー1つで認証印刷ができるため、職員の負担がありません。利用開始後のトラブルや質問が意外なほどありませんでした」(高橋氏)
「利用者側からすれば特別に面倒な操作も必要なく、今まで通り使っているようです。マルチメーカー環境に対応した認証印刷が可能で、さらに誰が何を印刷したかをすべての機種でログ管理ができる仕組みは、まさに私たちの狙いに合致していました」(佐々木氏)
SecurePrint!の利用から半年が経過した現在、次の展開に向けて動きだしています。
その展望について佐々木氏は、「2つの施策を考えています。1つ目が、『複合機・プリンターの最適配置』です。印刷ログを統計解析することで、設置場所や業務によって異なる機器・機能・ニーズに合わせて柔軟に配置することが狙いです。2つ目が『統合的なセキュリティ認証管理』。職員の利便性を損なわず、PCログインから“誰が・いつ・どこで・何を印刷したか”をすべてログ管理できる仕組みを目指しています」と抱負を語りました。
来るべきマイナンバー対応なども見据え、情報セキュリティの万全な確保によって、住民や市内外への“説明責任”を果たす湯沢市。次なるアクションにも注目が集まりそうです。
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