SmartSESAMEのお客様の声をご紹介 - 導入事例
三重県いなべ市役所様(以下、いなべ市)は、2003年12月に旧北勢町、旧員弁町、旧大安町、旧藤原町の4町が合併して誕生。合併直後から電子行政サービスの推進に力を注ぎ、2007年度には、電子自治体の実現に向けた「いなべ市地域情報化計画」を策定。現在までに、ICTを活用した住民サービスの提供、業務効率化による
コスト削減、セキュリティ体制の強化などを達成してきました。
合併後、庁舎内に多数のプリンターや複合機を抱え、行財政改革の取り組みとして台数の最適化を進める一方、業務効率を低下させない運用を模索していました。
そこで、いなべ市が選んだのが
シーイーシーのICカード認証セキュリティ「SmartSESAME SecurePrint!」でした。
導入から約1年で年間560万円のコスト削減を見込むなど効果が出ています。
いなべ市が推進する情報化施策の中枢を担っている企画部 法務情報課。「情報システムを担当する情報推進係が4名、議案の作成や文書管理を担当する法務係が4名という8人体制で全庁のICT施策を担っています」と語るのはいなべ市 企画部 法務情報課課長補佐の小寺 道也氏。
2003年12月の4町合併は、行政組織の効率化をもたらす一方、ある課題を生んだ。合併前のハードウェア資産をそのまま引き継いだため、庁舎内に多数のプリンターや複合機を抱えることになったのだ。「合併直後の庁舎では、複合機を31台、プリンターを80台使っていました。これだけの印刷機を保守・運用、リプレースすると莫大なコストがかかります。そこで複合機を9台、プリンターを60台まで減らそうと判断しました。管財課の試算によれば、削減効果は5年間で約3,000万円といいます」と小寺氏は振り返る。
しかし、印刷機の数が減ることで、一部の庁舎職員からは「プリンターの数が減って印刷時に行列ができる」「自席からプリンターが遠くなり、歩いている間に取り間違えが発生する」など、業務効率の低下を懸念する声が挙がっていたという。
そこで小寺氏は、印刷機の削減と並行して認証印刷ソリューションの導入を検討し、これらの意見に応えようとした。
最終的に4社が候補に挙がるなか、いなべ市役所は2012年7月、シーイーシーが提供するSecurePrint!を選定した。導入に至る経緯や選定ポイントについて、小寺氏はこう語る。「デモンストレーションを通じて、SecurePrint!であれば、職員の懸念を払拭できると確信しました。さらに、マルチベンダー対応で、既存の環境に導入できる点もポイントでした。特定のベンダーに限定しないため、印刷機のリプレースが近づいた際、幅広いベンダーに声をかけることができます。これによって価格競争が働き、導入コストが圧縮できると期待しました」と狙いを話す。
SecurePrint!の本格運用が始まって、約1年が経過しようとしている。法務情報課法務係に勤める出口 和典氏は、「実際に運用しているなかで2つのメリットが得られました」と強調する。
1つめは、“どこでも印刷”を使って、空いている印刷機から印刷できるようになったこと。
例えば、議会の開催前は、議案や資料を大量に出力する必要がある。そのため、高速印刷に対応した印刷機の前に行列が発生することも珍しくなかったという。「大量の紙資料を出力する繁忙期には、たった数枚の印刷でも、行列に並ぶしかありませんでした。どこでも印刷によって、このような目に見えないコストまで削減できた点も大きいですね」(出口氏)。
もう1つは、手差し用紙の印刷時にプリントミスが減ったこと。いなべ市では現在、文書ファイルを専用キャビネットに入れて集中管理するファイリングシステムを運用している。この文書ファイルに貼るラベルシートは手差し用紙となっており、印刷する度に複合機に差し込まなければならない。「以前は、複合機に手差し用紙を入れると同時に、他の職員が印刷命令をかけてしまい、用紙を無駄にすることもありました。しかし、ICカードによる認証印刷が浸透したおかげで、このような印刷ミスはほぼ見られなくなりました」(出口氏)。
さらに、具体的な削減効果が数値となって表れている点も評価が高い。「SecurePrint!導入後の1年間を見ると、総印刷枚数154万枚に対して、印刷ジョブをキャンセルした数が約9万4,000枚という結果でした。複合機のカウンター料金を考えると、仮にSecurePrint!を導入していなければ、その分がコストとしてかかってきます。約9万4,000枚の印刷ミスがあったのかと思うと驚きです」と同じく法務情報課情報係の伊藤 正紀氏は導入効果を語る。
SecurePrint!の導入前には、一部の職員から懸念が出ていたが、運用開始後の反応はどうだったのかー。
本格運用が始まって1カ月が経過した頃、認証印刷の導入に懸念を抱いていた職員から直接メールをもらったという。そこには“SecurePrint!はとても便利だ。導入前は色々言ってしまったが、導入してくれてありがとう”というお礼の言葉があり、「胸が熱くなりました。現在、SecurePrint!は職員の間に十分に浸透しており、もはや当たり前の存在になっています」と小寺氏は職場での一例を挙げて思いを語った。
「本格運用から約1年が経過し、現在やっとデータが蓄積できたという段階です。今後はログの統計や活用にも注力し、前年対比などを通じて、さらなるコスト削減を目指していきます」と伊藤氏は抱負を述べる。
いなべ市の先進的な取り組みは、市内の他機関にも影響を与えている。本庁舎での成功例を聞き、教育委員会もSecurePrint!に注目しているという。「教育委員会に話を聞いたところ、学校現場でも同様の課題を抱えているようでした。印刷機の数が少ないうえに、印刷物の置き忘れやプリントミスなどが発生しており、SecurePrint!を導入したいという声も出ています」と伊藤氏は語る。
このほか、新たな情報施策の1つとして挙がっているのが、認証印刷用に配布したICカードを書庫の入退室管理に活用する方法だ。現在の書庫は鍵を使って管理しているが、ICカードによって「いつ」「誰が」扉を開けたのかをログで管理する。この取り組みによって情報漏えいを未然に防ぎ、セキュリティをさらに高める構えだ。
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